活動記録

歯科検診についての総評

2020年6月29日

先日、歯科検診をしてくださった、アキデンタルクリニックの伊藤彰英先生から総評をいただきましたので、参考にしてください。

園児の歯科検診の際に診ていることは主に虫歯についてと歯並びについてを重点的に検診しております。園児の中でも特に虫歯が多い児童が残念ながら一定の割合みられました。
また、検診当日の朝に歯を磨いてないであろう(もしくは磨いているのかもしれませんが全然磨けていない状態の)園児も気になりました。毎朝の生活習慣として登園前には歯を磨いて、可能なら仕上げ磨きを少しの時間でも良いのでお願いしたいと思います。虫歯予防の上で大事なことはシュガーコントロール、定期的なフッ化物(フッ素)の塗布、プラークコントロールです。特に虫歯の原因になりそうなものとしてはアメ、チョコ、キャラメル、ソフトキャンディー、スポーツ飲料、ジュースです。判断の仕方はお砂糖が多く、口の中に長く残るものです。甘い食べ物を食べたときには、可能なら早めに歯磨きをおこない、無理な場合でもお茶やお水を飲ませてお砂糖が口の中になるべく残らないようにしてあげてください。食べ方によっても虫歯のなりやすさも変わります。ダラダラ食べ・飲みをしていますと、長いこと口の中にお砂糖が存在する事になり、虫歯リスクの増加となります。ご飯の時間、おやつの時間と時間を決めて、規則正しく食べる様にしていただけると良いと思います。

毎日の歯磨きの際に可能なら子供用の歯磨き粉を適正量使用していただくと、フッ化物の作用により虫歯になりにくくなります。適正なフッ化物の使用により虫歯リスクは下がりますが万能ではなく、数割程度の虫歯抑制率です。日々の歯磨き粉以外にも、フッ化物洗口、歯科医院での塗布の併用が望ましいと思います。

あとは当たり前に、行っている日々の歯磨きです。最低朝晩の一日二回は生活習慣・リズム作りとして行って頂くと良いと思います。歯ブラシの毛先が広がっていますと清掃能力は落ちますので定期的な歯ブラシの交換が望ましいです。

また、歯並びについて心配な園児の割合が多く感じます。
健康な噛み合わせは子供達のお口の健康にもつながっていきます。
遺伝的な要因の可能性もありますが、生まれてからの生活習慣に起因するものも多い様です。園児に多い不正咬合は過蓋(かがい)咬合です。上下の奥歯で咬んだ時の前歯を見ます。上の前歯によって下の前歯が全く見えなくなる場合は過蓋咬合となります。下の前歯が2/3から全体が見える位が乳歯列期の正常な状態です。過蓋咬合は顎の成長不足によって起こりやすくなります。顎の成長不足は後々のさらなる不正咬合の原因となりますので注意が必要です。原因は様々考えられますが、食事の内容や顎をしっかりつかって良く噛んでいるか、舌の位置、普段の姿勢、呼吸が正しく鼻呼吸になっているか等と言われております。

園児の中には奥歯で噛んでイーっと前歯を見せることが上手く出来ない児童もいます。
日頃からしっかりとお口を使って食事をしたり、歌をうたったり、大きくお口を開いたり、笑ったりして自然に健康に育てるとより良いように思います。お口はしっかりと使わないと正しく成長してくれません。

残念ながら検診で良くない結果がでてしまわれた園児は必ず歯科医院を受診してください。幼稚園での歯科検診はあくまでもスクリーニングですので、見落としや見間違いもあるかと思います。受診先の歯科医に診断をしてもらい必要な処置や指導をしてもらってください。